ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス

※ネタバレはありません

 

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』は、間違いなく大作映画であり、どこまでもエンタメ的で、単純明快なストーリーでありながら、実は奥の深いという映画です。前作の予想を超えた大ヒットの上での公開で期待値が高まる中、ジェームズ・ガン監督はこの映画では極めて普遍的な、そしてセンシティブな問題を描きました。家族の形、人との関係性についてです。どんなに規模が大きかろうが、核となっている問題は実は身近な小さい問題であるのだということの再認識、やりきれないことに対して折り合いをつけ、そういった中で生まれた許されない罪への贖罪の物語でもあるのです。

この映画は『起源』を描く物であるという監督の言葉通り、まさしく起源、宇宙の起源だけでなく、ちょっと深読みしすぎかもしれませんが、自分の始まりを描くという意味での家族ものでした。キャッチコピーに難癖つけるつもりでもないのですが、この映画は銀河をノリなんかで救うのではなく、言ってしまえば、自分の内なる問題、個人的でミクロな問題にいかに折り合いをつけていくかというスケールの割に小さいところに焦点を置いていて、別に最初からヒーロー気質なのではなく、1作目と同様で『仕方なく』救うはめになってしまっているのです。彼らは小さな存在ではあるけれども、銀河という中の構成単位の1つだから。それだけでいいのです。大層な理由など必要ない。

自らの内面は誰だって見せたくない物です。特に傷ついた過去があるならなおさら。そこで、そういった彼らの内面を暴くという非常に暴力的な役割を果たすのがマンティスというキャラクターであり、彼女が今作で担った使命でもあるのです。傷ついた心をなめ合うのではなく、心を開き、お互いの気持ちを伝え合う。それを彼女は感情を読み取るエンパスという能力を使うことで、その架け橋をしようとする。彼女の存在のおかげか、私は今このキャラクターはどんな感情を持っているのだろう、と読み取ろうとしました。感情を読み取る、それは人の内面に入り込むということですが、そういった相手に踏み込み、踏み込んでもらうといったことがいかに厳しく、辛い物であるかということであるか。理解し合うことがどれほどの苦労をすることなのか、ということを彼女の存在を通して映しているのです。彼女の存在が、私たちにそういった内面へと目を向けさせる要因となっているのです。些細な表情、言葉の中に埋め込まれた心の叫び。伝えたくても伝えきれず、伝わらない。ぎこちない動きの中で生まれていく関係性に、心を動かさずにはいられませんでした。

vol.2は、「家族ってやっぱ大事だよね」という簡単な話にみせかけ、傷ついた人々が関係性を構築することでより成長していく、本当に自分にとって大切な存在とは何なのかという「成長と認識」の物語なのです。それをロードムービー的にしてもいいですが、この映画は大規模な世界観、銀河という巨大な世界で描くことに意味があるのでしょう。些細なことが結果大きな事件につながることは日常でも起こりうる、つまり、この映画は極めて大きな世界観の中で極めて普遍的、日常的な悩みを抱えた者たちの諍いの物語であり、1で描かれた傷ついた人々が描く人間ドラマじみたものであり、ソープオペラであり、親子もの・家族ものでもあり、仲間の絆を描いたものであり、大作の皮を被った小さな物語でもあるのではないでしょうか。

もうすぐ父の日でもあるということで、家族についての映画を見たい、という方にはおすすめです。冒頭でも言ったようにこの映画はあくまでもコミカルな楽しい、ちょっと悪く言えば「何も考えずに見れる」映画です。

 

 

この作品の肝となっている名優たちについて書こうとするとどうしてもネタバレについて触れる必要が出てきそうなのでまた別の機会に。