残るのは恋人たちだけ

オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴを見ました。コーヒー・アンド・シガレッツのジム・ジャームッシュ監督の作品。

デトロイトに住むアングラな音楽家、長い時を生きる吸血鬼であるアダムには、モロッコ・タンジールに居を構える同じく吸血鬼であり愛する人、イヴがいる。あるとき、イヴはアダムのいるデトロイトへ会いに行くことに決め、ふたりは再会する。久しぶりの愛する人との時間を楽しみながら、日々を過ごしていた。しかし、そこへイヴの妹であり破天荒な吸血鬼、エヴァが現れ、日々に変化が訪れる

 なんか妙に後ろ向きな気がしたんですけど、どうなんすかね。

アダムとイヴは対称的な性格や格好をしています。アダムは後ろ向きで恋人に引っ張られて精神的な安らぎを与えられるような音楽家だ、木の弾丸を使って自分を撃ち抜こうとするくらいには時代に追い詰められているような(吸血鬼映画のお約束みたいなもんらしいですね、木の杭)。反対に、イヴはオプティミスティックでそんな傷ついている彼を見守るような姉さんみたいな恋人だ。アダムがギャグみたく面倒で回りくどい方法でテレビ電話にする一方イヴはiPhoneを使ってるし、内側に籠もる彼に対して、比較的にオープンだ。どちらも貴族的な吸血鬼で、古き時代から生き続け、愛し合い続けている。演じているのがトム・ヒドルストンティルダ・スウィントンという「この二人は本当に吸血鬼です」と言われても納得してしまうような説得力のある二人なので、シーン一つ一つが絵画みたいに見えました。一番好きなシーンは二人が踊るシーンで、あのゆらゆらとレコードに合わせて踊る姿が本当に美しいな、と思ったんです。言葉ではなく、あの動きの中に二人の深い結びつきが見えて、愛し合っているのが感覚的にわかる。ため息が出てしまうほど素敵な場面だと個人的には思います。

あちこちにちりばめられたネタや日々をそのままに映すのは健在してます。ラブストーリーとしてこの映画が結構気に入ってて、ささやかな会話だとか仕草に愛情が見えるのが好きなんですよね。時代に合わないと感じた人たちの出した結論があれなのが悲しいような、何とも言えない気持ちになったんですが、どうでしょう。

とりあえず、ミア・ワシコウスカはかわいいですね。

あとトムヒに医者の服を着せるということをしてくださりありがとうございます。ただ立っているだけで人殺してそうな雰囲気が出てたので素晴らしいと思います。